難病治療の手段としての治験

最近では医療が相当に発達してきていることは誰もが認めるところでしょうが、それでもいまだに薬では治せない病気、ある程度は薬が効くとしても効果が十分でないとか、副作用が大きいというような病気はまだまだ数多くあります。

代表的なものとしてはがんやアルツハイマー性痴呆症などが挙げられるでしょうが、世の中にはこれ以外にも多くの、いまだに十分に効果のある治療薬がない難病があり、多くの患者さんが苦しんでいること、そして一日でも早い治療薬の誕生を待ち望んでいることは間違いないのです。

このような場合、一つの手段として治験に参加するという方法があります。

治験というのは、新薬を生み出すために行われる臨床試験のことで、未認可の薬が使用されます。
もちろん本当に効き目があるかどうか、あるいは副作用が許容範囲かどうかというのはまだ誰にも分かりませんが、可能性はあるということになります。

治験では、試験管やフラスコを用いた実験を思い浮かべてもらえばよいですが、少なくともそのような研究室レベルでの実験では効果や安全性は検討されています。
動物実験、ラットやサルなどの動物に実際にその薬を投与する実験も行われ、同じくその効果や安全性は検討されています。
そして、一般的には、その病気の患者さんを対象とした臨床試験が行われるよりも前に、その病気を持っていない健康な人を対象とした臨床試験が行われています。

健康な人を対象とするのですから、本当にその薬が目的とする病気に効くのかどうかまではなかなか分かりませんが、少なくとも問題となる副作用がないかはここで確認されています。
ただし、問題はその人数です。薬というのは人によって効き方や副作用の出方が大きく違うことがあります。健康な人を対象とした臨床試験、これをフェーズ1試験と呼びますが、フェーズ1試験の人数は普通は十数人程度、多くても20人から30人程度に過ぎません。
この程度の人数では、たまにしか起こらないような副作用は十分に分かるとはいえません。 また、当然ですが、その病気を持っている人にだけ起こるような副作用もあるかもしれませんが、それも分かりません。

しかしそんなことを言っても、現状で効き目のある薬がない人にとって治験に参加することは、未認可の薬ではあってももしかしたら画期的な新薬かもしれず、それで治療できる可能性があるわけですから、大きな希望であることは間違いありません。

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