コレステロールの基準を撤廃された理由

間ドックや健康診断を受けると検査項目の中に、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪(TG)という項目が並んで記載されているでしょう。

LDLコレステロールは悪玉コレステロールで、動脈硬化を促進します。
中性脂肪も、動脈硬化の独立した危険因子であることが判明しています。

しかし、HDLコレステロールは善玉コレステロールで、血管壁にこびりついたコレステロールを回収するので、動脈硬化を抑制します。

総コレステロールの値は、LDLコレステロール+HDLコレステロール+0.2TGの計算式で計算できます。
この式を見てもわかるように、総コレステロールの値は善玉のコレステロールも含まれています。

総コレステロールの基準値は150~219mg/dLで、230が上限値だと言われてきました。
LDLの基準値は70~139mg/dL、中性脂肪の基準値は50~149mg/dL、HDLは男性が40~80mg/dL、女性が40~90mg/dLです。

HDLコレステロールが90の人は、LDLが130で中性脂肪が120などと基準値内であっても、総コレステロールは230mg/dLを超えてしまいます。

アメリカでは、総コレステロールの値は動脈硬化の判定材料にはしていません。

また日本の医師たちも、検査結果を見る際、「総コレステロールの値など見ていない。LDLとHDLと中性脂肪しか見ていません」というケースが多いことも判りました。

しかし患者さんに「総コレステロールは基準値を超えましたが、悪玉コレステロールや善玉コレステロールや中性脂肪の値は基準値内で問題ないので、心配しなくていいですよ」と説明したところで、患者さんは検査データーの数値の横にHという「高いですよマーク」がついていたり、基準値超えを示すマークがついていると、やはり気にします。

このような混乱を避けるためにも、「総コレステロールは検査しなくてもいいのでは?」という声や、「総コレステロールは混乱を招くだけ」という声が多かったため、基準値を撤廃しようという声があがりました。

アメリカではすでに検査項目には入っていません。
そこで、厚労省はアメリカの現状や現場の医師たちの声を受けて、総コレステロールの基準値を撤廃しました。

現在、人間ドックや健康診断では、参考程度に見るという形となっています。

検査データを見る時は、1つ1つを見るだけではなく、他の検査項目との兼ね合いも大切です。
また、基準値を外れたとか基準値内に収まっているだけではなく、以前のデータと比べることも大切です。

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